男はつらいよ(おかえり寅さん)映画版50作目最終作

    2019年    山田洋次監督


総括
男はつらいよ 全50作見直し。1年と3ヶ月くらいかけて観ました。
寅さんとの出会いは小学生の頃。第8作あたりだと記憶している。場面はくるまや(当時とらや)でタコ社長が寅さんの噂してたら帰ってきた、というのを鮮明に記憶している。
当時は同時上映のドリフの映画が目的だったが、男はつらいよの片鱗に触れた瞬間だった。
2021年に歳を重ねてからあえて50作を見直すと、昭和中期から平成までの街並みの様子と人々がとても懐かしく、自分の青春時代を思い出す。
数々の寅さんの恋愛を見て、自分の経験で重なるところを思い出し、苦笑の連続であった。昭和の人情コメディ。今はこういうレトロな作品は少なくなった。いやもうないか。
50作鑑賞してとても良かったなとあらためて思います。
俳優って役柄のイメージがついちゃうのは嫌なことなんだろうけど。寅さん通じて渥美清さんをずっと見ていてような雰囲気を感じさせてくれます。
さすが国民栄誉賞である。








 撮影後のスナップでしょうか。



作品レビューです。


前作の49作目「ハイビスカスの花特別編」から22年。渥美清が亡くなったために幻となった本当の49作目「寅次郎花へんろ」を周到させるのかと期待もあれど、今作の50作目は「男はつらいよ」のフィナーレ打ち上げ的な内容となっている。
寅さん映画としては、物足りない。しかし皆で思い出し、そして懐かしもうよという気持ちは伝わり涙が出ます。


  満男中心に物語が始まる。





シリーズ終盤の「満男シリーズ」と言ってもいい内容の続きの要素が大きい。
基本は満男のその後と回想を中心に、さくら、リリー、博、泉の回想も取り入れて作品構成されている。


花へんろで結婚する予定だった満男は泉と結婚しているかと思いきや、泉は海外で活躍、家庭も持っている。満男は妻に先立たれ娘と二人暮らし。
ここは物語に変化を持たせたかったのか、満男中心の話にドラマチックな展開をつけるのが目的だったのか。
やはり最初から泉と結婚していてほしかったのだがそれは叶わず、再開してから満男の再婚話が出ている中で、泉との復活が期待できるのかなという淡い思いも抱ける。
さらに満男と仕事の編集員の女性との雰囲気も期待できて、映画が和んだことは間違いない。


 さくらはマドンナ以上の華だったと思うよ。





寅さんのことは、劇中で行方は誰も触れず、さくらもリリーも満男も、寅さんの回想はするが、生死には触れない。監督があえてそうしたというインタビューを後から見たが、やはり初見にはモヤモヤ感は否めない。早く、くるまやに現れてくれよと願ってしまう。




だが時折幽霊のように満男のところに現れる寅さん。「風に向かって俺の名を叫べ。いつでも飛んでくる」この言葉に渥美清の寅次郎は永遠だよ、というメッセージを感じられる。
悩む満男のところに幻影のように現れるのはそういうことなんだ。と思われた。


 泉とリリーの再会。





寅さん映画の名場面。くるまやに集うみんな。
おいちゃんおばちゃん御前様、そしてタコ社長は亡くなっている設定にはなっていたが、皆男はつらいよに欠かせない素晴らしい人たちである。


 くるまやの奥は変わらず。店舗はカフェに変化。





最後に歴代マドンナたちの顔が画面に次々に登場して、男はつらいよを盛り上げた素晴らしき女優たちに感謝を表している。名残惜しいエンディングに寅さん映画では初めてのエンドロールを流し、オープニングの歌は渥美清の好きな桑田佳祐に任せたが、エンディングは渥美清の歌声で締める。


最後に渥美清の声で聴けるテーマ曲は、心に沁みた。


そして俳優、監督、スタッフたちに名作を作り上げた感謝の気持ちが浮かぶのであった。




ありがとう寅さん。
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コメント

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シリーズ完走! お疲れさまです!

私にとって、男はつらいよを初めて映画館で見たオンリーワンですわ。
それでも、渥美清さんは寅さんのイメージが強烈ながら、黄色いハンカチのお巡りさんとか、八つ墓村の金田一とか、砂の器の映画館主とか、他の映画でも違う魅力で魅せてくれた名優でしたね。

ゾンビマンさん

 ありがとうございます。師匠にお祝いされてとてもうれしいです。途中から師匠に毒された(^^)レビュー文章になりつつあるのは気づきましたでしょうか(^^)
 八墓村は当時観に行きました。寅さんのイメージを払しょくする名演技だったと思います。しかしちょっと違和感あったかな当時。金田一に渥美清って聞いてびっくりしたのを覚えています。